フラーレンの活用とカーボン加工

フラーレンとは、炭素原子が球状のネットワーク構造をしたものの総称のことで、炭素原子のみからなる純粋な炭素分子です。最も有名なものはC60といわれる、サッカーボールの形をしたフラーレンです。ネットワークの頂点が60個あり、その拡張点に炭素原子が配置されている構造をしています。

このフラーレンはとても安定していて壊れにくい分子です。また光エネルギーを吸収しやすく、電子受容性が高く、優れたラジカル補足能を持っています。

では、このフラーレンは私たちの日常生活にどのように活用されているのでしょうか?

最初にフラーレンが市場に出て来たのは、2003年のことです。7月にゴルフクラブのヘッドのチタン合金にフラーレンが配合されたものが発表されています。これにより、金属部分の強度が増し、疲労特性が改善されたため、「トータル15ヤードの飛距離アップ」効果というキャッチコピーで売り出されてヒット商品となりました。

さらに2004年の10月には、フレームにフラーレンを配合した眼鏡が発売されました。プラスチックフレームにフラーレンを使うことによって、強度が10%〜15%ほどアップしたようです。

そしてゴルフクラブに続きスポーツの分野ではバトミントンやテニスのラケットにもフラーレンが使われています。強度アップはもちろんのこと、軽量化を図ることができ、強度を損なわずに15%も軽くすることができたとのこと。

またスノーボードのボードの構造をさせるボックスチューブにフラーレンを配合した部材を活用し、強度アップと軽量化を図っています。