炭素繊維の製造法の現状と加工

炭素繊維の製造法には以下のようなものがあります。

アクリル繊維セルロース繊維(レーヨン)、ピッチ繊維などの他に、リグニン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、フェノール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリアセチレンなどの繊維をプリカーサとする方法

鉄、コバルト、ニッケルなどを触媒として、ベンゼンなどの炭素水素を熱分解させ、気相から炭素繊維を成長させる方法

ただし、工業的な規模で行われているのは、アクリル繊維、レーヨン、ピッチ繊維だけです。

アクリル繊維をプリカーサとする炭素繊維の製造法は現在開発が進められています。一方セルロース繊維は、炭素繊維工業の発端となった方法ですが、、原料が入手困難であることや、PAN系で優れた炭素繊維が得られるようになってきたため、競争力を失いつつあり、現在は注目されていません。

炭素繊維の特性

炭素繊維軽くて、強さ、弾性率がとても高い物質であることが一番の特性です。

近年の技術発達によって、市場に出回っているものは引張強さでは5586MPa、弾張弾性率では490GPaの強さを示しています。また、強さおよび弾性率の変動率についても、それぞれ3〜4%および2%と高い品質安定性が達成されています。

一般に、強さは構造に敏感で、微細構造のわずかな変動や種々の欠陥因子に大きく影響されます。