炭素繊維とは?カーボン製品として活用される炭素

炭素繊維とは、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して作った繊維のことです。(Wikipediaより)

一番の特徴はやはり軽くて強いことです。最も多く利用されている炭素繊維はPAN(Poli Acrylo Nitrile)です。機械的特性に優れていて、高性能な炭素繊維と言えば、このPANを指します。ちなみに機械的特性とは、「形態機能」・「吸着機能」・「生理学的機能」のことを言います。

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PAN系の炭素繊維は、実は私たちの生活に広くなじんでいる素材で、特にスポーツの分野ではその軽くて強い特性が十分に生かされています。

例えばテニスラケットやスノーボード、釣り竿などにも使用されているんです。さらに宇宙工学や航空分野でも最先端の素材として使用されています。

PAN系炭素繊維

Wikipediaからの引用

PAN系炭素繊維の単繊維は太さは5-7μmである。この多数の単繊維で構成された繊維束をフィラメントと呼び、さらに1,000本から数万本のフィラメントの束をトウと呼ぶ。このトウがPAN系炭素繊維の製品形態としてもっともよく扱われている。

トウは、そのフィラメントの本数の多寡により区分されており、24,000本以下でレギュラートウあるいはスモールトウ、40,000本以上でラージトウと呼ばれる。レギュラートウは低密度、高比強度、高比弾性率で航空機や人工衛星の材料や、ゴルフ用シャフト、釣り竿、テニスラケットといったスポーツ・レジャー用途で多く使われている。一方のラージトウは、レギュラートウに比較的して安価なため、風車や自動車などの材料など産業用として主に利用されている。

PAN系炭素繊維の2010年の全世界生産量は、レギュラートウが55,300トン、ラージトウが14,800トンで合計70,100トンと推計されている。

最も優れた特性を持つ炭素繊維であるこのPAN系炭素繊維は、実は日本で発明された者です。1961年のこと、通商産業省工業技術院大阪工業試験所(現産業技術総合研究所)の進藤昭男氏によって発明されました。

そして今や新時代の素材として多くの分野で幅広く使われているのです。